1. 制御とは

火を操る
遠心調速機

制御とは 「機械・化学反応・電子回路などを目的の状態にするために適当な操作・調整をすること。」をいう。
ここでは、この制御を機構や電子回路(コンピュータ)などで自動的に行う自動制御を考える。

制御の基本的な概念として、図「火を操る」を参考に人が火を制御する動作を考える。この場合、焚火が制御する対象で、人は眼(炎の様子)、鼻(煙などの臭い)、皮膚(熱間隔)などのセンサで火の状態を観測し、頭脳により燃料の追加、送風などを判断して行動(手で燃料を入れる、口で空気を送るなど)する。
まとめると、火を操る基本行動:操る対象(制御対象 Plant)、観測(センサ)、判断(制御器 Controller)、行動(アクチュエータ)となる。

自動制御の初期の発明として、ワットによるガバナー(遠心調速機)による蒸気機関の制御がある。当時、既に蒸気機関はあったが、適切な制御できず実用性が乏しかった。ワットが調速機を発明したことで蒸気機関が普及し、産業革命が大きく展開した。図「遠心調速機」を参照。(動作の詳細はこちらのリンク先を参考にどうぞ。)
すなわち、フィードバック(帰還)制御により様々なエネルギーが操れるようになり、科学の大きな発展につながった。

※ここでのフィードバックは負帰還を意味している。 正帰還も発振器などで役に立つが、ここでは基本となる負帰還を主に考える。
用語:負帰還(negative feedback)、 正帰還(positive feedback)

制御系の基本構成

制御系の基本構成を図に示す。目標値r(reference value)、制御量y(controlled variable)、偏差e(error)、操作量u(manipulated variable)、制御器C(controller)、制御対象P(plant)のようにC、Pなどの文字を使って表現することが多い。

制御系の基本構成