電気回路は、電気を利用するために電源、負荷(電気エネルギーを消費するもの)などの回路素子を導体で接続したものと定義される。電気を利用する人工物はすべて電気回路の範疇といえ、社会インフラとして現代社会に欠かせないものとなっている。
電気工学が大学の学科となったのは19世紀末ごろで、他の工学分野(土木工学、機械工学など)に比較して新しい分野であり、その抽象性(電気自体の実体が分かり難い)から馴染みにくく感じる学生も多い。「基礎電気回路」では、直流回路、交流回路の基礎理論を主に解説し、電気工事士に必要な基礎知識を紹介していく。
電子工学は電気工学の隣接分野として始まってきたが、こちらは20世紀初頭から大きく発展した分野で、量子力学が大きく貢献した。そのため理論的には難解な部分が多いが、電子回路素子の働きを理解すれば、電気回路の知識で回路設計をすることはできる。「電子回路の基礎」では、主にアナログ回路の設計の基礎を解説する。
ディジタル回路は電子素子をスイッチング素子として利用することから発展してきて、半導体の発展とともにコンピュータの小型化、高性能化に大きく寄与した。「ディジタル回路の基礎」では、論理回路設計の基礎事項を解説し、ノイマン型コンピュータのハードウェアの基本原理まで紹介する。
また、「基礎計測工学」では、電気電子計測の基礎事項を解説する。