4. 単位系

単位の定義と書き方

単位とは、物理量を表現するために数値に添える尺度のことで、例えば、長さの単位には「メートル\([m]\)」、時間の単位には「秒\([s]\)」、質量の単位には「キログラム\([kg]\)」などがある。
国際単位系(以下 SI単位系)では、単位の定義と単位の書き方は国際的に決められている。SI単位系とは、世界共通の計量単位の体系のことを指す。SI単位系では、物理量を表すための基本単位と、これらの基本単位を組み合わせて導出される派生単位で構成されている。なお、SI単位系は国際度量衡局(BIPM)によって管理されている。

単位の表記方法の基本

単位の書き方は、数値の後に半角1マス空け、単位を書くのが一般的な表記法となっている。例外もあるので、論文作成やデータシートなどの作成時には、各分野での慣用も含めた詳細な表記方法を確認することを勧める。
【例】表記方法の基本
・\(1.50\; kg\) (数値の後に半角1マス空け、単位を書く)  \(1.50 [kg]\) とした書き方は、数値と単位の区別がつく場合は通常使わない。
・\(Lm\) の場合は、\(L [m]\) と書く。 (単位記号と量記号、変数記号が区別し難い場合)
・\(10[m]\) の場合は、\(10\; m\) と書く。 (基本は、数字+半角スペース 単位記号で書く)

計算においては、単位は文字式の文字のように扱えるため、基本的には単位も一緒に計算する。
【例】\(100\; g + 300\; g = 400 \; g \)
     \(100\; m ÷ 25\; s = 4.0 \; m/s \)
のように単位を書きながら計算することで、(工学的な)計算ミスも減る

【例】\(1\;N\)の力で\(1 \; m \)動かしたときの仕事量\(W\)
*\(W=1\; N ×1\; m=1\; J\)   ← 単位を入れた数字を使っての一般的表記 
ただし、単位の文字と変数の記号が混在する場合は、\( W=1[N]×1[m]=1[J]\) と書く場合もある。

*\(W[J]=F[N]×L[m]\)    ← 単位を入れた文字式の一般的表記

単位系

単位系についてはSI単位系(国際単位系)が標準の単位系で、7個の基本単位が決まっている。
長さ:メートル [m]           質量:キログラム [kg]
時間:秒 [s]             電流:アンペア [A]
熱力学温度:ケルビン [K]      物質量:モル [mol]
光度:カンデラ [cd]

また\(10\)の整数乗倍を表す接頭語として、\(10^3\)倍をキロ\((k)\),\(10^6\)倍をメガ\((M)\),\(10^{-3}\)倍をミリ\((m)\), \(10^{-6}\)倍をマイクロ\((\mu)\)などがある。

SI単位系の詳しい資料は、こちらへ(産総研

単位の変換、組立単位

組立単位(SI 組立単位)は、基本単位を組み合わせて乗法・除法の数学記号を使って表す単位である。 接頭語とは、「ナノ」「センチ」「ギガ」などの乗数が該当する。 組立単位が複雑になってくると実用上で不便なため、固有の名称と記号をつけた単位もあり、組立単位に用いられる。

補助計量単位(接頭語をつけた単位)
主な接頭語【例】
T (テラ)   :\(10^{12}\)1 THz(テラヘルツ)
G (ギガ)   : \(10^9\)1 GHz (ギガヘルツ)
M (メガ)   : \(10^6\)1 MΩ(メガオーム)(or メグオーム)
k (キロ)  :\(10^3\)1 km(キロメートル)
m (ミリ)   :\(10^{-3}\)1 mm(ミリメートル)
μ (マイクロ) : \(10^{-6}\)1 μm(マイクロメートル)
n (ナノ)  : \(10^{-9}\)1 nm (ナノメートル)
p (ピコ)  : \(10^{-12}\)1 ps (ピコセコンド)

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