2. オームの法則
オームの法則は、電気回路において、電圧(電位差)と電流、抵抗の関係を示す法則である。オームの法則は、$$V=IR$$と表される。ここで、\(V\)は電圧(単位は[V] ボルト)、\(I\)は電流(単位は[A] アンペア)、\(R\)は抵抗(単位は[Ω] オーム)である。
この式は、電流が電圧に比例することを示している。つまり、電圧を一定に保ったまま抵抗を変化させると、流れる電流も変化することを意味している。
オームの法則は、電気回路の設計に重要な役割を果たす。例えば、回路内の抵抗値が分かっている場合、電圧(\(V=IR\))と電流の値(\(I=V/R\))を計算することができる。また、電圧や電流の値が分かっている場合、抵抗値(\(R = V/I\))を計算することもできる。
ただし、オームの法則はあくまで抵抗値が一定である場合に適用される法則であり、電圧や電流が変化する場合には適用できない。また、非線形素子(例えばダイオードやトランジスタ)には適用できない場合がある。
電子の移動方向と電流の方向
電源に導体を接続した場合、電子の移動方向は図の青矢印の方向となる。このとき、電源の(ー)側から電子が供給されると考えることができる。
一方、電流の方向は赤矢印の方向と定義される。これは電源の電位の高い方(+)から電位の低い方(ー)へ導体を通して電流が流れると考える。
※電子の移動方向を電流の方向と定義した文献もある。
図「起電力と電圧降下」において、電源のプラスとマイナスの端子間に生じる電圧の大きさを起電力\(E\)という。電圧降下とは、電気回路において電流が流れる際に回路内で生じる電圧の低下のことを指す。図「起電力と電圧降下」において、電源\(E\)から供給された電圧(起電力)\(E [V]\)に対して、抵抗\(R\)が電力を消費し、その分だけ電圧が低下する。このときの電圧降下 \( V [V] \)は、\(V=RI\)となる。
オームの法則
電圧\(V [V]\)、電流\(I [A]\)、抵抗\(R [\Omega]\)とすると、$$V = RI \;\;\;, \;\;\; I = \frac{V}{R} \;\;\; , \;\;\; R = \frac{V}{I}$$の関係となる。
抵抗\(R\)に電流\(I\)が流れたとき、電圧が低下するが、このときの抵抗の両端の電圧は、\(V=RI\)となり、これを電圧降下という。
電圧降下という観点は、電気回路解析で特に重要である。
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